ざっくり3行でいうと
原油価格が上がり続けています!世界情勢を見ても暫くは高い水準が維持されることが予想される
エアコンが割安な暖房器具なのは知られているが外気温が下がると効率が悪くなり灯油の方が割安になるケースもある
どの地域からエアコン暖房の方が得なのか、個人ブログの書き込みから調査を行います
ガソリン補助金、5円に引き上げ 経産省、10日から1週間適用
Yahooニュースより引用(2022年2月5日)
経済産業省が、ガソリンや灯油など燃油価格の急騰を抑える補助金を、上限の1リットル当たり5円に引き上げることが4日、分かった。原油価格の最近の高騰を反映したもので、10日から1週間適用する。5円を超えた原油価格の上昇分は、小売価格の値上げにつながる可能性がある。
最近の原油高騰に対する政府の価格抑制策です。
今世界ではインフレ抑制政策が取られ始めていて石油価格は上がり続けています。
またウクライナ情勢を見ても原油価格が下がる事を期待できず しばらくの間 高い水準が続くことが予想されます。
その為政府にはさらに踏み込んだ支援、つまり揮発油税などの税率を時限的に引き下げる「トリガー条項」発動の検討が求められています
発動の有無にかかわらずガソリンや灯油の需要が高い時期なだけに社会全体に及ぼす影響が大きいですね。
いきなり結論
北海道札幌市ではエアコン暖房はコストで不利。選ぶなら灯油を使った暖房器具です。
青森県ではエアコン暖房と石油ファンヒーターのコストはほぼ同等です。
つまり東北電力の電力共有エリアから南部はエアコン暖房を用いた方が同等またはお得という事になります。
暖房費を節約したい!エアコン暖房で可能?
灯油を使った暖房器具からエアコンに切り替えて節約したいと本気で考えている人もいると思います。
今回はエアコン暖房を考えてる人が知っておかなければならないエアコン暖房の死角と節約の見込める地域について解説します。
エアコン暖房の効率は外気温によって左右される
エアコンには COP というエネルギー効率の指標を表す数値があります。
これは電気1に対していくつの熱を出すことができるかという数値です。
効率の良いエアコンになるとこのCOPが3.5を超えています。
例えばドライヤーは600Wの電気を消費して600Wの温風しか出せませんが、エアコンなら同じ600Wの電気で3.5倍の2100Wの温風を出すことができる計算です。
この消費電力の何倍もの熱量を生み出すヒートポンプの技術は凄いんです。
エアコン暖房は灯油を使った暖房より低コストだといわれる根拠はここにあります。
*ドライヤーの消費電力と熱量を同じワット(W)で表現しているので混乱するかもしれませんが、ここでは「エアコンは効率がいい」とだけ覚えておけばOKです。
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電気代(光熱費)を節約して寒い冬を乗り切る方法
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エアコン暖房の弱点は外気温の低さ
寒くなればなるほど暖房が必要になるのになぜ弱点なの?と思われるかもしれません。
でもエアコン暖房はヒートポンプの仕組み上外気温が下がれば下がるほど効率が悪くなってしまうのです。
先ほどのCOP3.5は 外気温が7℃の場合の数値で、外気温が-15℃まで下がるとCOPの値が約2前後まで下がってしまいます。
電気会社やエアコンメーカーはエアコンは灯油ストーブより効率が良いので経済的!
という宣伝をしていますがそれは東京の平均気温を基にした値です。
寒冷地では本当に灯油を使った暖房より割安なのかどうか注意する必要があります。
住んでいる地域の暖房はエアコンと灯油のどっちが安い?
ではいったいどれだけ寒い地域まで灯油に比べてエアコン暖房がコスト的に有利なのでしょうか。
ネット上の個人ブログを調査し、エアコン暖房のコストが灯油を使った暖房より有利な地点を探ってみたいと思います。
北海道札幌市の場合
基本情報
11月~4月の平均気温 1.1℃
11月~4月の最低気温の平均 -2.3℃
北海道札幌市の暖房コストの順位は以下の通りで灯油を使った暖房コストが最も低くなっています。
灯油 < 都市ガス≒エアコン < LPガス
エアコン暖房のコストが灯油と比べて高い理由は外気温が低い為に効率よく熱を取り出せないからですが北海道電力の電気料金が他より割高という特殊事情もあります。
安い関西電力と比較して30%も割高です。
電力会社 | 区分・単位 | 料金単価 |
北海道電力 | 従量電灯Bの電気料金単価 120kWhをこえ300kWhまで |
30.26円 |
東北電力 | 25.33円 | |
東京電力 | 26.48円 | |
関西電力 | 21.12円 |
青森県の場合
基本情報
11月~4月の平均気温 3.1℃
11月~4月の最低気温の平均 -0.3℃
本州の最北端青森県ではどうでしょうか。
灯油とエアコンの電気代はほぼ同じという結果でした。
灯油≒エアコン < 都市ガス < LPガス
コスト比較で灯油を使ったストーブとエアコンがいい勝負をしています。
これは次の2点の影響です。
- 札幌市と比べて平均気温、最低気温共に2度上がっている事
- 青森県は東北電力のエリアなので電気料金が北海道電力に比べて16%以上も割安である事
暖房器具の買い替えを検討しているならエアコン暖房は十分に検討する余地はありますね。
そもそも極寒の寒冷地でエアコン暖房は機能するのか
効率はともかく寒い日には-10℃を下回ることも珍しくない場所でエアコン暖房は機能するのでしょうか。
結果を言えば寒い地域では寒冷地仕様のエアコンを使用すれば問題ありません。
寒冷地仕様エアコンとは一般のエアコンとは異なり、-15℃の環境でも動作するように設計された特別仕様のエアコンです。
一般のエアコン暖房では霜取りモードに入ると温風が出なくなります。
寒冷地仕様エアコンでは霜取りモード中でも温風を出し続ける「ノンストップ暖房」機能を持っています。
これが寒冷地仕様エアコンの最大の特徴です。
あるメーカーでは外気温が-15℃でも吹き出し温度が60℃も出るそうです。
機種さえ正しく選べば 記録的大寒波!!という状況でも暖房器具として十分機能します。
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まとめ
原油高騰に伴いガソリンや灯油の価格が上がっています。
政府の補助金により価格が下がることが期待できますが家計への影響は今後もしばらく続きそうです。
灯油を使った石油ストーブからエアコンに切り替える事で暖房費の節約が期待できますがエアコン暖房は外気温の違いで暖房効率が変わるので注意が必要です。
*外気温が下がるほど効率が悪くなります。(価格が上がります)
どの地域からエアコンの方が得かというと、青森より南の地域になると考えています。
暖房器具の買い替えを検討されている方は参考になさってみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございます